家呑みしかしてない

一人で家呑みしてる人間の気ままな酒のレビュー

ノースコースト オールドラスプーチン North Coast, Old Rasputin

ノースコースト醸造所、オールドラスプーチンの瓶の外観

本日の一本はこちら、ノースコースト醸造の「オールドラスプーチン

さてこのビール、アメリカでは非常に有名なビールらしく、なんでも「アメリカンビールの頂点」とも言われているとのこと。実際に受賞歴も多く、公式のHPでも多数の受賞歴が掲載されています。

醸造所であるノースコースト自体の評判も高く、飲む前から非常に期待が高まります。

スタイルとしてはインペリアルスタウトという事でアルコール高めで重いボディが特徴、では早速開栓して飲んでいきましょう。

味の厚みを予想させる香り

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先ずは瓶からの香りを
開栓時にアルコールの香りがフッと感じられる。
強いチョコレート、コーヒーの風味と、甘さを感じさせるローストされたモルト香、そこにクリーミーさも少し加わる。

グラスに注いだ液色は漆黒、ちょっと離れて見ると本当に真っ黒である。端の光が透ける部分は非常に濃いブラウン。

泡もブラウンでトップのリング部分だけホワイトが入る
泡はきめ細かく泡立ちはなかなか良い方ですが、持ちはあまり良くない。

グラスからの香りは濃いコーヒー、焦げた餅のようなロースト香、濃いダークチョコ、麦芽の香り。ホップから来るフレッシュな香りと若干の甘さと酸味も感じる。

予想通りのフルボディと強烈複雑な苦み

一口含むとドスッと重く感じる苦み、後になるほど苦みが強くなって頂点を超えた後に、口中にやや苦みが残る。IBUは75とかなり苦みの強い部類ではあるがそれ以上に苦く感じる。
ローストされたモルトとホップの苦みがそれぞれ違う苦みを演じているのだろうか?
アルコールの重たさも効いていて非常に重く、また複雑な印象。ただ苦いというだけでなく、苦みの種類が違うというか、色々と風味の違う苦みがドドドッと押し寄せる感じ。

苦みは強烈だが余韻は弱く、さほど続かない。後味は不快な感じは無く、間違いなく良いビールと感じる。
わずかな甘さとモルトの風味が余韻の中に残り、柔らかい印象を与える。
甘さはほぼ無いが、ただただドライというわけでもなく、やはり複雑な味わい。

単体でも、料理に合わせることも出来そうな、時間を掛けて楽しめるビール

苦みが強く、その辺は飲む人を選ぶかもしれない。しかし度数9%とは思えない飲みやすさで、心地よく酔える。個人的な印象としてはこってりとした肉料理に合いそうだなと思った。

時間のある時にゆったりと味わって飲むビール。間違ってもがぶがぶ飲んではいけない。

また、こうしたスタウトの常として、温度の変化による味わいの変化も当然あるのでその辺も気を付けて呑むべきでしょう。

最終的にほぼ室温になるまで時間をかけて呑んでいたが、そのくらいの温度になると強烈な苦みはやや抑えられ、酸味の存在感を強く感じるようになった。

ベストな温度と言うのもあるかもしれないが、温度による味わいの変化を楽しむのもまた一興だし、このビールはそういった楽しみ方が出来る懐の深さと言うか、どの温度でもおいしく飲むことが出来る秀逸な出来となっていて感心しました。

容量は355ml、買った店舗では700円程度

やはり高くはあるけれど、秀逸なスタウトとして体験しておくのは決して悪くないでしょう。

評価

苦さ:★★★★ このビールの味の主体、複雑な苦みを感じる

ホップ香:★★ 香りの中のベースに僅かに感じる

モルト風味:★★★★ ローストモルトの風味も強く、ボディ重たさに一役買っていると思う、だがそれだけで飲み手を圧倒する程でも無い。 

甘さ:★★ 苦みとのバランスを取るように僅かに存在する感じ、主張はしないが後味にわずかに感じる。

価格:★★★ 高いが内容を考えると悪くないと思えてくる。

お勧め度:★★★★ 間違いなく良いビール、間をおいてまた飲みたい。