家呑みしかしてない

一人で家呑みしてる人間の気ままな酒のレビュー

ベルチングビーバー ピーナッツバターミルクスタウト Belching Beaver, Peanut Butter Milk Stout

個性的なデザインの多いアメリカのビールパッケージの中においても一際個性的で目立つデザイン、商品棚でもまあ目立つ。

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さてさて、今回はもう既にパッケージ写真からかなりパンチの効いた事になっているかと思いますが、Belching Beaver(ベルチングビーバー、げっぷビーバー、つまりビール飲んでげっぷするビーバーて事ですかね、なんともまあ醸造所の名前もパンチが効いてます)の、なんとその名も「ピーナッツバターミルクスタウト」です。ヤバそうですね。

パッケージの見た目、げっぷビーバー、ピーナッツバターという事でヤバさ3乗になっております。

 大好物の組み合わせ=考えるまでも無く最強という図式

はてさて、「ピーナッツバターミルクスタウト」である。そう、ピーナッツバター

知っている人は知っていると思いますが、アメリカ人はこのピーナッツバターが大好きである。食べ物に隙間があればそこをピーナッツバターで埋めてしまうほど好きである(完全なる偏見)。まあ、そこまでは行かなくてもビスケットサンドやシリアルバー系のお菓子のシリーズにはほぼ間違いなくこのピーナッツバターがラインナップされています。

そこに来て、このベルチングビーバーというブリュワリーはアメリカ人の大好物であるビールとピーナッツバターを組み合わせたのである…

正直なところ、自分だったら「ビールとピーナッツバター?絶対合うわけないでしょ」と思って、そんな絶望的な組み合わせの事など一瞬で忘れてしまうでしょう。

だがしかし、この斬新なビールパッケージを考え出した彼らは、その破天荒さと斬新な想像力でメーカーを代表するような製品を作り出してしまったのです。

なんというか、飲む前から何故か若干緊張します。

これはあれだ、例のチョコウエハースの匂い

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では、開栓し、いつものように缶からの匂いを嗅いでみます。
開けて直ぐは日本のラガーみたいなアルコールの匂いが一瞬する。
だが、少しするとムワッとしたピーナッツバター、ビスケット、そしてやはりラガーのようなモルト感を伴ったアルコールの香り。うーん、甘そう。

グラスに注いで色を見ると、かなり暗いダークブラウンで赤味は無く「正に茶色」と言った感じ。泡立ちは非常に少なくすぐに消える、泡の色はやや薄いブラウン。

グラスからの香りは、まんまピーナッツバター、そしてチョコ菓子、ブラウニー、ローストされたモルトの風味も感じる。だが、記憶の中で一番近いのは子供の頃山ほど食べた、「ビックリ ンチョコ」!

正直自分でも匂いを嗅いでいて、「なんか懐かしいな、何だろう」と思っていて、思い出した瞬間は驚きましたね。これ非常に似ていると思う。

いい意味で最高に期待を裏切る飲みやすさ

では今度は味を。

甘い、やはり甘い。期待通りではあるが欲を言うならもう少しクリーミーさが欲しい。そうしたら自分が欲していたスタウトに完璧に近づく。

甘さが強いが、苦味もしっかり存在しています。苦みの間にローストされたモルトの素晴らしい香ばしさも口一杯に広がります。その途中で強くない酸味が感じられ、それが爽やかさも与えている。
一口飲んだだけでも、このビールがただ奇抜さを狙って作っただけのものでは無いことが良く分かる。

口中でかき混ぜると、泡が良く立つと同時にローストモルトのほろ苦い風味とピーナッツバターの香りと甘さが広がって口の中が素晴らしいことになる。

口の中でかき混ぜてこれほど幸せになれるビールは初めてです。

後味は甘さが主体でそこにわずかに苦みを伴う。

これがビールかと思うと不思議な体験だ、なんだかアルコール入りの甘いコーヒーを飲んだかのような気分になる(実際にそんなもの作ったことも飲んだ事も無いが)。

ボディはしっかりとあるが、その度数の低さと甘さのせいかスイスイと飲める。
飲み終わった口の中は、甘めのコーヒーを飲んだような感じで、だがしかしコーヒーほどべったり残る感じでもなくスッキリとしています。

まとめ

初印象のとっつき難さ、アクの強さからは想像も出来ない程の甘く飲みやすいスタウト
ボディはしっかりとあるのに飲み易い。甘さ主体の中で苦さもしっかりと感じるし、飲んでみるとエキセントリックな感じも全くしない。寧ろよく考えられたバランスの取れたビールと思う程でした。

ここで、缶に張られた原材料の表示を見てみると麦芽とホップ以外に「ピーナッツ」、「乳糖」、「チョコレート」、「コーヒー」が入ってます。

なるほど、香りから感じた成分がほぼそのまま入っていたわけですね。だが、ここまでのバランスを取るのには相当の努力が有ったんでしょう。多分。
飲み心地は非常に穏やかで、甘さと苦さの中でモルトの風味を楽しみながらビールの飲み難さをピーナッツバターでカバーしているかのような感じでした。

何か食べ物と合わせるのも良いかもしれないが、これ一本で十分に時間を楽しめる、そんなビールです。

これは面白いので是非とも一度飲んでみてほしい。
同社のピーナッツバター入りでないミルクスタウトもいつか飲んでみたい。

度数は5.5%で、缶の内容量は355ml、値段は買ったところでは700円ほど。

総評

苦さ:★★★ しっかりと苦みもあるが支配的では無い、このビールでは支える役

ホップ香:★ 香りとしてはほぼ感じない、主張するようなホップの香りは合わないだろうと思う

モルト風味:★★★★ 素晴らしい香ばしさ、後味は嫌みのないすっきりとしたコーヒーのよう、途中で感じる酸味はもしかしたら加えられたコーヒーからかもしれない

甘さ:★★★★★ 非常に甘いがくどいわけでもない、ピーナッツの風味もあるので「ただべったり甘い」感じでなく非常に好ましく感じる

価格:★★★ 高い、でもこれは見かけたら是非一度飲んでほしい

お勧め度:★★★★★ これは面白い、もっと色々なところで買えるといいのにと思うくらい

 

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