【1000円くらいで買える天国】ロシュフォール10 Rochefort, 10
さて、このブログでは久々となりますベルギービールです。
ベルギーといえばヒューガルデンホワイトに代表されるホワイトビール、さらに近年では日本でもにわかに?注目を集めているセゾンなど魅力的なビールが沢山有りますが、その中でもう一つ忘れたくないのが「トラピストビール」。
トラピストビールとはその名のごとくトラピスト会修道院で作られるビールのことで、12カ所の醸造所のみがその名称を名乗ることが出来ます(ベルギーが最も有名だがベルギー以外にも醸造所が有る)。特に有名かつ日本での流通量が多いのは「シメイ」でしょうか。やや太っちょな、赤や青のラベルの少しお値段高めなビールを皆さんも見たことが有るかと思います。
今回はサン・レミ修道院が醸造する「ロシュフォール10」を紹介します。
醸造所やビールについての説明はウィキペディア、そのほかいろいろなHPにもあるのでそちらに譲ることにします。それでは早速飲んで行きましょう。
濃厚なドライフルーツと、しっかりとしたホップの香り
栓を開けて瓶の口から香りを確認します。
割と豊かなホップの香りと若干の酸味を感じます。
グラスに注ぎます。
かなり濃く濁った、赤味の有るブラウン。泡は盛んに立ち薄い茶色、泡の持ちも良くかなりクリーミー。
香りは熟した果物、ドライフルーツに近い香りで甘さを予想させます。若干の酸味も感じます。
濃厚な果実の風味とアルコール感
トラピストビールはやや高めの温度で楽しむようです(紹介しているところで違いがあるが大体10℃前後)、まずは試しに冷やした状態(多分数℃程度)で飲んでみます。
口にした途端フルボディ、非常に重い。
果実のような濃厚な味わいに加えてアルコール感も強く、「強い酒を飲んでいる」という事を実感します。ホップによる苦みも相当に有り、全てが相まってこのビールの重さにつながっています。
味わいの中にモルト感も有りますがあくまで要素の一つ、というか、どれもが主張し過ぎることなく複雑に絡み合っている印象。
濃厚な甘さも飲み始めから感じられ、特に後になるに連れて強さを増して行きます。不思議な感じですが口中で苦さと甘さが共存して後味を形成しています。
濃厚な果実感からはブランデーのようなニュアンスすら感じる。
次は14℃程度にしてから飲みます。
甘い。非常に甘い。苦みは後味近くにニュアンス程度にしか感じなくなり、むしろ甘さを引き立たせて全体を引き締める良いアクセントに変化しており好ましくすら感じます。
より濃厚な果実感の有る甘さで支配され、それでいて後味もスッキリしている。非常に美味でアルコール感もありません。
口の中でかき混ぜるみると、苦みえぐみが出てきました、これはお勧めしません。
RateBeerでランク入りしているのも納得の味わい、これは常備したくなる美味しさ。
素晴らしい味わい、天国にでも昇るような気分になる
冷蔵庫から出して直ぐの冷やした状態だと苦みやアルコール感が強めでしたが、推奨温度で飲むとそれらの特徴が抑えられて非常に素晴らしい味わいになりました。
時間がある時にゆっくりと味わうのがおすすめ。
翌日休みのときの深夜、あるいは気温が丁度いい季節の昼間等に飲むと素晴らしい、天国にでも昇るような時間を過ごせるでしょう。
ああ、美味しかった…
さて、トラピストビールですが、一括りにトラピストビールと言っても醸造所ごとにかなり違った味わいがあります。
これまでシメイを含む数か所の醸造所のビールを飲みましたが、それぞれ中々に個性的でした(似たような味わいを求めて「トラピストビールだから同じかな」と思って違う醸造所のものを買うと期待外れ、という事態になります)。
世界一とも言われる「ウエストフレテレン」もこのトラピストビールに含まれていますので、12の醸造所をいずれは制覇してみたいものです。
総評
苦さ:★★★ 冷やした状態だと強く感じるが、推奨温度だと非常にバランスが取れていい塩梅になる、絶妙なバランス
ホップ香:★★ これも冷やした状態だと強く感じるが、推奨温度だとあまり感じない(酔ってただけ?)
モルト風味:★★★ 麦!と言った感じではないがおそらく果実感、甘さはモルトによるものだと思われる
甘さ:★★★★★ 推奨温度だと果実のような素晴らしい甘さを感じることが出来る、それでいてすっきりしていて素晴らしいの一言
価格:★★★★ 1000円前後(買った店で700円程度)でこの内容なら文句の付けようがない、見かけたら是非味わってほしい、もちろん推奨温度で
お勧め度:★★★★★ 強めのアルコール度数も相まって天国気分を味わえる
こちらの記事もどうぞ