ブラックアイル ハイバネーター・オートミールスタウト BLACK ISLE HIBERNATOR OATMEAL STOUT
オートミールスタウト、もっと色々と飲んでみたい
本日の一本はこちら、「ブラックアイル」なるブリュワリーの「ハイバネーター・オートミールスタウト」。初めてのオートミールスタウト、非常に楽しみである。
オーガニックな原料、製品づくりだけでなく自分たちの環境にもこだわったビール
ブラックアイルのHPを少々読んだので、このブリュワリーの説明を少し。
同社はスコットランドの小規模醸造所かつ、同国で唯一の「オーガニックブリュワリー」、1998年に自然を破壊する農薬を使用せずに育てたホップと大麦を使用してワールドクラスのビールを作ろうとしたのが始まりとのこと。ホームであるアランランジ(Allangrange、詳しい場所は不明。醸造所自体はハイランドのブラックアイルに有るようです、なんだか良く分からん)はゲール語で「トウモロコシの肥沃な畑」を意味するそうです。同地は1790年にはサー・ロデリック・マッケンジーなる人が「醸造業と蒸留業にとって素晴らしい品質」のため、最初に大麦の栽培のために耕作されたと記録したという歴史的な背景も持ち合わせているようです。
とにかくオーガニックにこだわった製品づくりをしていることが伺えます、HPの文章を読んでも「農場」や「自然」といったような言葉が沢山出て来ます。飼育されている家畜の餌として絞り終わった麦芽を与えて育てているようです。うーんすごい。
そんな同社が作るオートミールスタウト、海外のレーティングサイトによると何やら瓶内2次発行も行っているとの事、オーガニック製法も含めてもう色々と物凄いこだわりを感じますね…
さて、少々長くなってしまったので、いざ栓を開けていきましょう。
濃厚なモルトを感じるフレーバー、光を通さないような極黒
栓を開けた後の儀式として、先ずは瓶から来る匂いを嗅いでみましょう。
焦がしたモルトの非常に濃厚な臭い、某国内大手ビール会社の工場見学で嗅いだ麦汁を思い出すほどの濃厚なモルト。瓶の口からはスタウトでよく言われるようなダークチョコを感じます。
一方、注いだマグからはチョコ感はあまり感じられず、その代り若干酸味を感じる。
色はもう「極黒」と言って良いほどの真っ黒、黒以外何も無い。
泡立ちはあまり良くありませんがクリーミーでおいしそう。
口いっぱいに広がる芳醇なローストモルトの風味
口に含むとローストしたモルトの風味が口いっぱいに広がる、麦チョコだ。
オートミールの効果のなのだろうか、泡の口当たりは非常にクリーミーで、口中でかき混ぜて再度泡立たてるとクリーミーさが蘇って、うっとりとするほどのシルキーな口当たりになる。
味わい自体はかなり強めの苦みが主体で、一口目はガッツリと衝撃を受けました、しかしながらすっと抜けて、後味を悪くするような事は有りません。
甘さは飲み始めからずっと存在して後味までずーっと続き、風味の下支えをしているような感じで、正に「モルトの甘さ」を感じさせます。
まとめ
何よりもローストしたモルトの存在が極大で、そこに苦さのパンチを組み合わせた、割と単純明快なスタイルに仕上がっていると感じました。
期待していた「クリーミーな甘さの優しいスタウト」ではなくむしろ強烈な苦みのパンチを持っていました。ただ、苦さ一辺倒ではなく、そこに寄り添ってずっと甘さが有るのも特徴です。
オートミールスタウトは今回初めて飲むので、今後色々と経験していく必要があるかな。
アルコール度数は7%ですがキツい感じは全くしません、また「良くない酒にある悪酔い感」は全くな無く、心地良く酔えるビールでした。
度数は7%、容量は330mlで価格は購入した店では600円程度。
他に幾らかスタウト、ポーターを経験した後にまた飲んでみようと思います。
総評
個人評価(最高★5)
苦さ:★★★★ 結構強烈だがIPAほどではないし質も異なる、ローストモルトの香ばしさもあってより複雑
ホップ香:★★ 弱い、あまり感じなかった。
モルト風味:★★★★★ 口に含むとローストモルトの風味で一杯になる。
甘さ:★★ 全体を通して主張しない甘さが存在して、このビールのスタイルを支えている感じ。
価格:★★★ 値段が高いのでおいそれとは買えないが、また試したいと思う。
お勧め度:★★★★ お店で見かけたら一度は買ってほしい。国内ではまだオートミールスタウトは数が少ないと思う